ロヒンギャ問題を裁定した「国際司法裁判所」ってナニ?

海外紛争

令和のサムライ通信:「国際司法裁判所」の巻

今回は、今一番ホットなミャンマー情勢の中でロヒンギャ問題を裁定したことで話題になった「国際司法裁判所」という国連の機関を知って頂くために簡単判りやすくご説明を行ってまいります。

国連というと、お隣のおかしなオッサンが代表になってからというもの、国連機関全体の化けの皮が剥がれて幻滅、ドッシラケの限りです。

「国際司法裁判所」とは正義の味方??これまた一見頼もしい存在だのと、勘違いされそうな物々しい名前です。

 

国際司法裁判所?
国際司法裁判所は1945年に国連憲章によって設立された国連の司法を扱う機関です。

国際司法裁判所は、国家だけが訴訟することが出来る裁判所で、国連から選挙によって承認された15人の裁判官で構成された国際裁判所なのです。

日本の国民にはなじみが薄いのですが、国家間での争い事を裁定する国際機関ということです。

 

頼もしい名前ですね、こんな強そうな裁判所があったのですか、恥ずかしながら初めて知りました。

まあ、ぜんぜん強くもないけどね、最初にズバリ言ってしまうと、この機関も国連と同じく名前だけで大した権限もない組織なのだよ。

 

えっ、なんで?

国際司法裁判所の裁定を仰ぐには、訴えられた相手の同意が必要なのです。なので、相手国が拒否した場合は、裁判は開けないわけ。
早い話、相手が受けて立つと同意しなければ成立しないのだ、結局、殆どの場合、話がここでドン詰まりとなってしまうというわけだよな。

 

なーんだ、それではあまり意味がないですよね。

ここで一番言いたかったのは、竹島や北方領土だよ、
日本は竹島問題を国際司法裁判所に訴えたのですが、お相手さんがそれを拒否したため、裁判が成立しなかったということです。
さらに、完全に駄目なのは、「選択条項受諾宣言」という選択条項があり、この宣言に同意している国は、裁判に服させることができるのですが、多くの国が、この宣言を拒否しているのです。

 

えっ、「選択条項受諾宣言」?なんか難しすぎる~。

この「選択条項受諾宣言」というのがくせ者で、簡単に言うと、「相手の訴えに対して、逃げも隠れもしない、いつでも応じてやるぞ」という宣言なわけです。
それに対して、そんなのに拘ったら面倒なだけと拒否する国が続出してしまったのです。
何せ、国連のトップである常任理事国の5カ国でも、宣言に応じたのはイギリスだけなのです。まあ、中国やロシアが宣言しないのは当たり前と言うか理解できるけど、アメリカまでもが拒否しているわけなんだ。

因みに、日本は敗戦国なので、当然、宣言しています。(するしかない)勿論、同じ敗戦国のドイツも宣言しています。

宣言している国は、他から難癖をつけられない、北欧などの人口の少ない福祉国家などが多いのです。
これでは絶望的な話なわけです。

結局、国連の組織らしく、国連と言う看板だけをちらつかせて存在感をアピールしているだけなのです。

竹島の場合も、北方領土でも、相手側からすれば既に実効支配が完了されているので、今更、そんな裁判にのこのこと出る必要もないと考えるのは普通でしょう。

国際司法裁判所はゴーインに相手を引っ張り出す拘束力も権限も無いので、今のところの日本の領土問題では役にも頼りにもならない存在なのです。

「国際司法裁判所」と同じ機能を持つ「常設仲裁裁判所」
国際裁判には、同じハーグに居を構える「常設仲裁裁判所」という機関があるのです。

この組織は、国際紛争平和的処理条約の採択によって設立された国際裁判組織で、国際司法裁判所と少し違うのは、国家間だけでなく、国家と民間企業間などの紛争解決の裁定が出来ることです。結局、国際司法裁判所の子分的な存在です。

この「常設仲裁裁判所」のほうは、まともなのですか。

この機関も当然、裁判所なので裁定を下す権限はあるのですが、判決に基づいて強制執行する権限は無いのです。これを聞いて、いきなりトーンダウンだよね。


常設仲裁裁判所をコケにした中国
ここで思い浮かぶのは、中国とフィリピンとの間で起こった南シナ海仲裁裁判です。

南シナ海での中国の領有権主張や人工島の建設などで、フィリピン政府は何度も中国に対して抗議を行うのですが、中国がまったく無視してきたために、2014年に国際法に違反するとしてフィリピンは常設仲裁裁判所に仲裁を申し出たのです。

この裁判で、「常設仲裁裁判所」は中国の主張には法的根拠がないと判断を下したのです。

これによって国際法上、中国の主張は認められなくなったわけなのです。

ところが、驚いたことに、中国は、常設仲裁裁判所の判断を認めないと居直ってきたのです。

そして、この判決を受けて中国の習近平主席は「中国の領土主権と海洋権益は、いかなる状況下でも、仲裁の判断の影響は受けない」と強調するのでした。

また、常設仲裁裁判所が裁定を下した公式判決文を、こんなものはただの紙切れと言い放ち、従う意味もないと、世界にアピールしたのです。

え~っ、そんなことできるのですか、それはだめでしょ。

中国のことは今更だけどね、この態度には呆れてものも言えなかったよな。
まあ、これには、ショックを受けたけど、中国は、これをもって、誰からの指図も受け付けないと世界中に宣言したわけです。
常設仲裁裁判所もこんな程度と言うことで、舐められたものなのです。

ということで、「国際司法裁判所」も「常設仲裁裁判所」も名前だけで判決を下したところで、強い権限は全くないので、その判決の履行を強制することは出来ないのです。

結局、この裁判所の効力と言ったら「国家の信頼を落としてはダメですよ」という啓蒙程度のものなのです。

こんなもんじゃあ、あくどさで生き抜く韓国さんやロシアさん、中国さんから言わせれば、痛くもかゆくもない話です。

まあ、これが「国際司法裁判所」の実態なのです。これではまともな国際ルールなど築ける筈もありません。

めずらしく役割を果たせた「国際司法裁判所」
但し、ミャンマーのロヒンギャ問題の場合は、ノーベル平和賞受賞者である人道のカリスマであるスーチー女史へのジェノサイドをめぐる心理だったという異例のものだったので、この裁判での反響は大きかったのです。
この裁判によってスーチーは完全に国際的な信用を失ってしまった。

本来、ならず者国家はこんな場所に現れることはないのです。しかし、スーチーの場合はノーベル賞が足かせとなって逃げるわけにもいかない。
こうして、「国際司法裁判所」はスーチーをどん底に陥れたのでした。

まとめ
「国連」も駄目、「国際司法裁判所」も「常設仲裁裁判所」も頼りにならない。

今の世界は、ならず者国家によって無法状態がまかり通っているわけです。

結局、国際間の紛争解決に力を発揮することができるのは、「世界のアメリカ警察隊」ということになるのです。

アメリカに「世界の警察官」をやめることは、やめてほしいと願っていましたが、

「寝ぼけたジョー」はいつ目を覚ましてくれるのやら……。

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