イスラム教が過激と誤解されるわけ

イスラムの世界

令和のサムライ通信:イスラム教の知識2の巻

前回は、イスラム教がキリスト教を抜いて世界最大の宗教となる「謎」に迫り、イスラム教の寛容な部分をお伝えしましたが、今回は中東情勢に絡めて、厳しい戒律を崩さない、スンニ派のサウジアラビアとシーア派のイランを中心にイスラムを覗きながら、少しシビアにイスラムの世界を見ていきます。

 

イスラム教と言うとスンニ派とシーア派の二大勢力が有名です。

二大勢力と言っても、イスラム教の約9割がスンニ派なので圧倒的多数で、それに対してシーア派は1割に過ぎないのです。

これは、インドやパキスタン、インドネシアなどアジアの国々の殆どがスンニ派であるからです。

中東の場合は少し違い、シーア派の勢力が非常に強く、その代表格がイランの存在です。

一般的には、戒律が緩やかなスンニ派と戒律が厳しいシーア派と言われております。

この中で、シーア派のイランに対して、スンニ派のサウジアラビアが対立状態となっていますよね。

スンニ派のサウジアラビア
先ずはサウジアラビアですが、国はサウード家による絶対君主制なので独裁国家ということです。
現在はシーア派のイランとは一触即発の険悪な敵対関係にあります。

サウジアラビアはスンニ派の中でも戒律が厳しいことで有名です。それはサウジアラビアには、イスラム教の聖地であるメッカがあるからという説もあるのです。

サウジアラビアというと女性の黒ずくめの衣装が強烈ですよね、なんか自由がまったくなさそうです。

そう、サウジアラビアは、何といっても女性の車の運転も最近になってようやく許されたくらいです。
それはサウジアラビアの場合、スンニ派の下位宗派であるワッハーブ派という宗派が戒律を厳守させているからです。
また、世界で最も厳しい死刑制度を維持している国で、サウジで捕まったテロ首謀者の多くは、磔などで死刑を執行されています。
犯罪に関しては、問答無用でむち打ちの刑が下されるのです。

 

うわっ、大変そう、女性は特に自由がなさそうで男尊女卑みたいな国ですね。

女性の場合は、ここのところはだいぶ変わってきたようだが、女性の社会進出は中々進んでいない。
とはいっても、サウジの国民は金持ちだらけなので、日常生活では結構寛容なところがあって、女性もそれに甘んじているところもあるのです。そもそもサウジの男はあまり働かないのです。日常を担う労働の殆どは外国人任せです。

前回でも触れましたが、サウジは外国人に対して分け隔てが無く寛容なところもあるのです。

それはサウジに駐留していたアメリカ軍兵士3000人余りがサウジの寛容さに感動してイスラム教徒に改宗したことでもご理解いただけるでしょう。

シーア派イランはどうか
そしてイランの場合、イスラムでも、特に厳しいシーア派ということもあり、ベールに包まれた印象とテロ支援国家という暗いイメージがつきもので、日本ではよく北朝鮮の閉鎖性と一緒に見られているのです。

イランはシーア派と聞いただけでも、とても厳しいというイメージがあります。

ところが、イランの場合は、北朝鮮と違って独裁国家では無いことで、国民に対しては、宗教的な法律での引き締めはあるが、日常の監視はとても緩いこともあり結構自由なのです。
経済制裁を受けながらも街並みはそこそこ潤っているし、若者は平気でアメリカのTシャツなんかを着込んでいるそうです。
ということで、言われているほど国民への締め付けはないようで、生活にも困窮している感じはない、そこら辺は、中東3位の資源国家ゆえなのでしょうか。では、イランのイメージは何故悪いのか、それは前に触れたテロ支援国家のレッテルが完全に定着したことと、核開発疑惑ということに尽きるでしょう。


イランは過激派生産国
実際、イランは多くのテロ組織のスポンサーとなっているのです。というか、ここまでくると、完全に操っていると言ってもいいかもしれません。

それは、言わずと知れたソレイマニ一派の存在です。

「ヒズボラ」
その代表がイスラエルに対してテロを繰り返す、レバノンのシーア派過激組織「ヒズボラ」です。「ヒズボラ」はイスラエルを地上から抹殺するという過激な宣言を掲げる組織で、イラン無くして「ヒズボラ」の存在なしと言われるほど密接な関係にあるのです。

フーシ派」
そしてイエメンのシーア派過激組織「フーシ派」です。「フーシ派」はイランと敵対するサウジアラビアで、石油施設を狙ったテロを頻繁に行い、国境付近でサウジアラビア軍の兵士を殺害したり誘拐を行う過激なテロや攪乱を繰り返しているのです。

「カタイブ・ヒズボラ」
更に、イラクではシーア派過激組織「カタイブ・ヒズボラ」を組織してアメリカ軍へのテロ攻撃や兵士の誘拐を繰り返しており、イラクを訪れたカタール王家一族の26人を誘拐して、1000億円の身代金をせしめたことで、国家間が断交するなどの大騒ぎとなりました。

イランは、こうした過激組織に対し資金の提供から、武器弾薬の提供、情報・顧問団の派遣といった様々な支援を続けており、これを受けて各国で破壊活動が繰り広げられているのです。

この他にも、宗派の違う過激派組織や多数のテロ組織に対して支援をおこなっている実態が明らかになっています。

日本のマスコミ報道だけを見ると、二言三言言葉を外してアメリカ悪に誘導するので、トランプ大統領やアメリカが一方的にイランを攻撃している理不尽さだけが強調されますが、イランも相当にしたたかなワルなのです。

イスラム諸国はイランに幻滅している
何より、国家が主導してテロ組織を使って敵対する国を攻撃、攪乱、混乱させ、一般国民まで巻き添えにするなんて、やり方が卑劣で汚過ぎるし、平気で白を切るという図々しさも宗教国家として幻滅です。

イランはイスラム教を政治的に利用しているわけなので、結局、イランのやっていることは、こんな暴力的なことがイスラムの教えであるという誤解を招くだけのものでしかないのです。

穏健派のイスラム教徒からすれば、イスラム教を自分達の都合のいいように捻じ曲げているだけにしか見えないわけで、イランの存在は異端でしかないのかも知れません。

イランを見ていると、いくら何でもキリスト教徒にはこんな過激な風習はないと思ってしまうのです。

まあ、イランは一般国民に対しては、弾圧的な対応は行ってはいないところは救いです、ただし反政府デモや逆らう奴には容赦しないということはお判り頂けるでしょう。

まとめ
ということで、これだけを見ているとイスラム教なんてとんでもないと思ってしまうのは当然のことです。

しかし、イランにしても、国の政策や体制側の人間は過激でも一般国民は、普通のイスラム教徒であることは間違いないということです。

結局、こうして見ると、イスラム教に改宗した人の多くはスンニ派であることが判ります。

イスラムが白人達を惹きつけたのは、スンニ派イスラム教徒の来る人を拒まない器の広さと、ヨーロッパで築かれた新たなモスクの解放感が、自由な信仰心の象徴として受け止められたからです。

しかしながら、我々日本人からすると、ヨーロッパのキリスト教文化が廃れていくことも寂しい限りです。

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