EUはどうなっていくのか、イギリスの離脱によってEUの今後が注目されています

EUを取り巻く難題

EUはイギリスの離脱問題で一時期は揺れに揺れていました。これからのEUは一体どうなってしまうのでしょうか、前回は、イギリスの離脱に関して簡単に解説いたしましたが、今回はEUの今後について簡単判りやすく解説していきます。

実は、日本ではあまり知られていないのですが、EU加盟国の間でも、困ったことにEUに対しての失望感が増してきているのです。

その一端は、EU統一通貨のユーロにあるのです。

 


特に後進国の場合は、ユーロの恩恵に預かれるのではという期待感が大きかったのですが、フタを開ければ、大したメリットは無かったというわけです。この件は後ほど触れます。

但し、相変わらず世界を震撼させているコロナの影響によって、EU不信も一先ずは先送りされた感があります。 

EU設立の経緯
もうご存知のこととは思われますが、EUの成り立ちから簡単に触れていきます。

ヨーロッパでは2000年にわたって戦いが絶えることはありませんでした。
その反省から、第2次世界大戦を最後にして、もう二度と戦争を繰り返さないようにしようではないかということがきっかけでEUの仕組みが出来上がったのです。

そして、ヨーロッパ各国が連携して、関税や輸入数量制限の撤廃や、人・物・資本・サービスの自由、そしてヨーロッパ間の移動を自由化した共同市場を作ろうと行動したわけです。
ということで、実際の各国の思惑は、戦争云々より経済的な動機での加盟が本音なのです。

そうしたことでイギリスもこの流れに乗ってEUと共に経済活動を活発化させようと加盟に踏み切った経緯があるのです。

この時点では、まだEUではなくEC(ヨーロッパ共同体)と呼ばれていて、ここから、ソ連の崩壊もあり、東側の国々も次々と参加することになり、加盟国がどんどん増えて1993年にEUの誕生となるのです。

ここからは、新たに加わった社会主義の国々などには、経済の仕組みも指導し、EUとして援助を行うことになるわけです。

こうして、何の接点も無かった国々が一つの連邦国家のようになり、EUとして完全に統合されたというわけです。

しかし、この援助によって、当初の思惑が外れて持ち出しばかりの国も出てきてしまうわけです。それこそがイギリスなのです。

この時点で、ドイツやイギリス、フランスなど経済的に自立できている国の負担は大きかったというわけです。

一件、順調に船出したように見えるEUですが、さらに途中からだんだん様子が変わってきました。加盟各国も当初からの思惑通りと行かなかったことで、EUに対して不信感を抱くようになってきたのです。

 

意外とゴタゴタしていたのですね、ところで不信って、どのようなことですか。

EUが加盟国の国民から懐疑的に見られているのは、EUを取り仕切るフランスとドイツの全体主義と官僚主義的な組織と透明性の無さに疑いを持ったことです。
それは、EU加盟の国民をないがしろにして、EU職員だけは破格の待遇を受け取るという不信と怒りがたまり給って、とうとう反EU運動も巻き起こる事態にもなっているのです。
この不満は、ユーロのあり方にも向けられているのです。

 

 

てっきり、ユーロになってどの国も得しているのかと思っていました。

確かに一時期のユーロは信用も増大し、世界の基軸通貨であるドルに少しだけ対抗するまでに浸透してきて、ヨーロッパだけでなく世界中に大きな影響を与えるまでになってきたのです。
しかし、景気の浮き沈みによってユーロの弱さも露呈していったのです。
まあ、加盟国は先進国の恩恵に与れると考えたわけですが、その代わりに制約もあったり勝手に決められたりで自由が利かないことへの不満が増大したのです。

EU加盟によって、国としての経済対策が封じられた
どの国でも、不景気になると必ずと言っていいほど、行われるのが、自国通貨を安くするという金融緩和の処置です。
通常、日本の場合などでは、円高になると景気が落ち込むこととなるので、政府・日銀が一体となって、金融緩和を行い円安に誘導して自国経済を立て直すのが定番です。
しかし、ユーロの場合は、自国通貨ではないので自由が利かないのです。

何故か?それはユーロはEU加盟国みんなの通貨なので、一国の事情で上げたり下げたりは出来ないからです。

ここにきて、これが出来ないことで困り果てている国が多いのです。
EU諸国は、同じユーロを使いながらも国ごとに経済状況は大きく異なるわけです。

何が問題かと言うと、EU自体が国に代わってユーロを調整するような機能を果たしていないからです。

景気が常に安定していれば問題ないのですが、何らかの都合で景気が落ち込んだ場合、国家内で迅速な対応も出来ないので、苦境に陥るしかないのです。

こうして、もしEU加盟国内の国が破綻にでも追い込まれたとしたら、ユーロの価値は一瞬にして暴落してしまうことになるのです。そうなれば、EU全体に波及していくという最悪なシナリオになる可能性があります。

それでは、EUに加盟したのに、余りメリットがなかったということですか。

自由に往来できるなど、連帯としてのメリットはそれなりにあったが、一番の願いは経済の恩恵なので、その当ては外れたと言ってもいい、結局、ユーロの導入によって、儲けが出ているのはドイツとオランダだけで、他のEU諸国は軒並み赤字となっているのです。特に酷いのが、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、イタリア、アイルランドです。
すべてがEUのせいではないが、こうなったのにはEUの怠慢がある。


こうしたことで、国家間の格差も大きく広がってしまい、EU独自では支えきれない状況なのです。特に深刻なのは、各国の失業者数の高さなのです。

これによってイギリスなどに失業した移民が自由に流れていくという悪循環が続き社会問題化を引き起こしたのです。

日本ではこうした話は伝わってきません。EUはまとまりのある先進的な機能を有した統合組織であるという報道ばかりが強調されているからです。

こうした背景があることで、EUは長くは続かないという専門家も多く現れたのです。

コロナ危機によってEUの評価が少し改善
しかし、EUに絶望したイタリアやスペインがコロナによる未曽有の被害を受けたこともあり、離脱どころではなくなったことで、少し状況が変わって来たようです。
幸か不幸か、最初に触れましたが、EUとしてコロナ危機での対応には成果を残したことは事実です。

今回のコロナウイルスへの対策として復興基金案では、7500億ユーロ(約93兆5000億円)の復興基金で合意させたことは何よりの成果であったが、これもドイツとフランスによって強引に加盟国を口説き落としたという感が否めないのです。



まとめ
今後もEUの置かれた立場は多難といえます。
イギリスの離脱問題から、イギリスの行く末ばかりがクローアップされてきましたが、イギリスは伝統ある国家なので苦難はあるがどうにでもなるのです。ましてイギリスが賢かったのはユーロを導入していないことに尽きるのです。

これからは、EUの行く末こそが深刻な問題なのです。
イギリスにとってEUは赤字をもたらすだけだった。しかし、EUにとってイギリスは黒字をもたらす存在なのです。

EUからイギリスが逃げ出し、フランスは国内の騒乱が燻っている、EUを支える力を持つのはドイツだけとなったのです。

EUが生きるか死ぬか、すべての鍵はドイツが握っているのです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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