「OPEC」とは、かつて原油市場を支配した「セブンシスターズ」との葛藤の歴史をふりかえる

資源国家の悩みと疑問

脱原発を推進する資源なき日本にとって「OPEC」の存在は常に気がかりです。
今回は、世界の原油市場に最も影響力を持つOPEC「石油輸出国機構」と過去に中東の石油市場を支配した「国際石油資本」通称セブンシスターズについて簡単判りやすく解説して行きます。

「OPEC」とは、石油が生産できる国の集まりの物凄い権力を持った組織だというのはわかるのですが、どういう組織なのですか。

「OPEC」とは、1960年9月に石油産油国の為に設立された「石油輸出国機構」のことです。
「OPEC」は、アメリカとヨーロッパが主導するセブンシスターズ「国際石油資本」という石油利益を吸い取る利権構造に対抗するために作られたものといっても過言ではないのです。
現在のOPECは、ひと頃の勢いはなくなりましたが、いぜん世界の原油市場を動かすほどの影響力を持っています。

セブンシスターズを知る
先ず、OPECを知るには、原油利権を牛耳っていた「国際石油資本」通称セブンシスターズの存在を語らないと理解できません。

第二次大戦後の原油埋蔵国の採掘や石油精製の権利を握っていたのは、戦勝国であるアメリカとイギリスを中心とした7つの石油メジャー企業で成り立つ「国際石油資本」通称セブンシスターズなのです。

「国際石油資本」は、エクソンモービル、シェルなどの7つの巨大企業からなる複合体で、産油国の石油利権を一手に握っていたのです。

国際石油資本セブンシスターズが強大な権限を握れたのは、豊富な資本力、そして、石油掘削と石油の精製という当時は先端的な技術を一手に握っていたからです。

「国際石油資本」は、強固なカルテルによって石油価格のすべてを操っていたのです。
こうした独占に対して、産油国の反発が巻き起こり、「国際石油資本」は、我々を蚊帳の外に置いて、好き放題にぼろ儲けしていると、産油国の不満は徐々に高まっていったわけです。

「OPEC」はセブンシスターズへの反乱から設立された
そこで、サウジアラビアを中心に、もうアメリカやヨーロッパ諸国に頼らない、産油国どうしで自立、結束した組織を作ろうじゃないかと呼びかけて出来たのが「OPEC」なのです。
要は「国際石油資本」の搾取に対しての反乱です。

そんな過去があったのですね。
最初は、産油国も石油は掘ってくれるし、工場も作ってくれてお金も入って、どんどん潤って良かったけど、アメリカや先進国がもっと儲けている姿を見て、面白くなかったのでしょうね。

その通り、しかしセブンシスターズは、確かにぼろ儲けしたので悪くばかり言われてしまうのだけれども、彼らの功績は本当に物凄いと思う。
あの時代にバランスよく石油を供給させたことで世界は飛躍的な発展を遂げることが出来た。もしこれが無かったら世界は100年遅れていたかも知れない。
独立したての国々にすべての石油の権利が行き渡ってしまったら、世界中が大混乱することは必須だったと思うと恐ろしい話です。
また、彼らが石油価格を低価格に抑えてくれていたことも大きい。日本の復興と高度成長を支えたのもセブンシスターズのお陰なんだ。


途上の産油国に共通するのは、豊富な埋蔵量があっても、それを探索する術もないし金も無い、原油を石油に精製するには、大規模なプラント設備や技術が必要となり、水源も必要、輸送のための道路も無くてはならない、こうなると全面的にアメリカやヨーロッパの先進国に頼らざるを得ないのです。

産油国も当然、「国際石油資本」のおかげで潤っていたのですが、金は入ってくるが、何の決定権も持てないことへの矛盾と不満は増大して行ったのです。

そうした中で、1959年に、いつも通り「国際石油資本」が産油国の了承なしに原油公示価格の引き下げを発表したことで対立は決定的となったのです。

資本力も整え力をつけてきたサウジアラビアを中心とした産油国は、石油精製などを自国資本で賄うことで、「国際石油資本」に対抗しようとしたのです。

その後OPECは、産油国の強みから、国際石油資本から石油価格の決定権を奪い、原油公示価格を決定する強い立場となり、一斉に原油価格の引き上げを実施したことで、石油を大量に消費する先進国を大混乱に陥れ、特に中東に依存していた資源なき日本は、オイルショックのパニック状態となったのです。

こうして、OPECは圧倒的なシェアを誇るサウジアラビアが主導を行い、
OPECは1970年代には世界最大のカルテル組織と言われるまでになり、誰もOPECには異を唱えることも出来ないほどの強大な組織となるのです。

 

そんな話があったのですね、驚きです。
あともう一つ聞いてもいいですか、よく、石油の量を言う時に1バレル何ドルとか言っていますが、バレルって何ですか。

バレルとは、日本にはなじみの薄いヤード・ポンド法の単位です。
ここでいうバレルは「樽」のことなのです。
石油は、1バレルすなわち1樽いくらで取引されるのです。
何故、「樽」なのかというと、アメリカで初めて油田が開発された時に、その石油の輸送をお酒の樽に入れて運んだことで、その由来が残ったということです。

話しは戻ります。
しかしながら現在では、OPECの力は、かつての勢いはないのです。
それはOPEC加盟以外の国の台頭です。
その代表がアメリカとロシアなのです。

ロシアは、今では世界3位の生産量を誇っており、石油や資源開発に最も力を入れていて、サウジアラビア率いるOPECとは、原油公示価格をめぐって火花を繰り広げているのです。


そしてOPECにとって一番の脅威は、アメリカの「シェールガス」の存在です。

産油国にとって「シェールガス」は、原油の代替エネルギーとなる最大の脅威なのです。そこでシェールガスに打撃を与え、市場から締め出すためにOPECは、加盟国外のロシアなどと協力して価格競争を展開して排除を目論んだのです。

実は、シェールガスは生産コストが割高な為に中々市場に出回らなかった経緯があるのです。
ところが、近年の研究開発の成果から飛躍的に技術が向上し、大幅なコスト削減に成功していたのです。
OPECの目論見である原油価格の引き下げは、結果的に自分たちの首を絞めることにも繋がり、サウジアラビアとロシアとの確執にまで及んでしまったのです。

こうして2014年には、アメリカがサウジアラビアを抜いて、原油生産でもトップに立ったのです。

とはいっても、いまだに世界で40~50%の生産量を誇るOPECの力は相変わらず強大です。

最後に、もう一つ聞いてもいいですか、子供の頃に石油が無くなると脅す人がいたのですが、それはウソということですか。

ああ、それね、私も学生時代から、石油はあと30年で喝破するなんて脅されていました。
まあ、当時は、オイルショックもあって、資源の無い日本人は恐怖に陥っちゃいましたからね、あれはね、発見されていた資源の埋蔵を元に想定したものなので、そんな噂が立っただけなのです。
今では、掘削技術の向上で、地上深くの探索が可能となり、新たな資源の鉱脈が発見されたりと埋蔵量は豊富にあることが確認されているのです。
また、資源の豊富なロシアなどの参入や代替エネルギーもあることで、今のところ石油はだぶついた状態です。

まとめ
「OPEC」がここまで強大な権力を握れるのは、セブンシスターズが作り上げた土台があるからです。

日本の場合は、脱原発の動きから、化石燃料が再度注視されることとなりました。
日本に取っては、「OPEC」の存在がいかに重要か判りますよね、そんなことで、中東での紛争は他人事ではないのです。

石油は、日本国民の生活、そして経済の生命線です。日本は、中東での紛争解決に向けた努力を怠ってはならないのです。

ということで、今回は、資源なき日本に取って気がかりな「OPEC」の動向に簡単に触れてみました。

最後まで読んで頂き有難うございます。
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