石油産出国家というと大金持ちのイメージがあるが破綻する国もある、その不思議に迫ってみる

資源国家の悩みと疑問

日本人は、資源国家、特に石油の生産国家は大金持ちと言うイメージを持っている人が多い。それは、サウジアラビアを中心としたOPECの影響があるからです。
しかし、どうも理解できないのは、同じ産油国なのに片や大金持ちで片や貧困に喘いでいる国があること。

今回は、世界一の石油埋蔵量を誇りながら破綻の危機にあるベネズエラ、そして、ここにきて少しだけ危うい状況となってきているが、相変わらず石油成金の代表であるサウジアラビアなどの湾岸諸国、この違いはどこから来るのかを簡単、判りやすく解説して行きます。

いつも不思議に思うのは、石油が取れる国なのに、なんで貧しいのですか、と言う疑問。もっと不思議なのが、産油国が石油を輸出しながら石油を輸入しているということ、何なのこれ?って、思うのです。

そうだよね。それは、たくさん地下に原油が眠っていても、売りに出す石油しか生産能力が無いからなのです。
なので、自国で賄う分は、他国からの輸入に頼ったりするわけです。
イランやイラクに共通するのは、埋蔵されている原油を掘り出す技術、石油の精製技術、そして設備基地の規模が小さいことで生産が限られ、大量生産が不可能だからです。
もし、これをやろうとすると高度な技術や大型プラントの設備を整えなければならないので、外国先進国の協力が必要なんだ。

資源の呪いとは
よく資源国家が繁栄しないことを「資源の呪い」と言いますが、それは、資源に頼り過ぎるために、国内の製造業が育たないことにあります。
また、資源に目をつけた先進国家によって開発が行われ、外国企業主導となることで、資源の価格変動を及ぼし、いざという時に経済成長も不安定になるからです。

更には、資源国家ほど、富を独占したり、独裁的で横暴になる傾向があるからです。

石油に頼り過ぎることで、いったん石油価格が暴落すると国内経済が大打撃を受けることになるのです。
そして、国内の製造業を育てていないということは、雇用が図れないし、輸入に頼ることとなるので、いざという時に国内の自給にも頼れない、受け皿の企業もないことで失業率を悪化させるだけなのです。

こうしてハイパーインフレを生んでしまったのが、世界一の石油の埋蔵量を誇るベネズエラなのです。ベネズエラの場合は、石油国家なりの破綻と言えます。

ベネズエラのケース
ベネズエラの話を少しすると、ベネズエラはチャベス大統領の頃に社会主義国家となって、反米路線を徹底させたのです。
石油での儲けを背景に良い人ぶりのバラマキを行い、モノなど外国から買えばいいと、製造業も育てなかったのです。
景気のいい時はそれで済んでいたのが、落ち込んだ時のことをまったく想定していなかったわけです。

現在のマドゥーロ大統領は、そっくりこれを継承した人物なので対処する術もないのです。
結局、石油の価格破壊が起こってひとたまりもなかったということで、更には、国内で製造業を立ち上げるノウハウも無かったのでした。

そもそも、ベネズエラは、気候も豊かで自給生産に最も適した国なのです。
厳しい言い方をすれば、ベネズエラは自業自得なのです。石油の金に眼が眩んだことで、労働精神を拒否した人たちの末路です。
要は、社会主義政策が国民を怠け者にした典型というところです。

産油国の成功例
例えば、ブルネイという国家がありますが、この国は石油資源でぼろ儲けの国なのです。
何と、税金なし、医療費ただ、教育費ただ、国民の住居は日本の3倍の広さと夢のような理想国なのです。

何故、これが可能かと言えば人口が少ないことに尽きるのです。
ブルネイの人口は約40万人なので国民へのサービスが行き届くのです。
これが通常の国でいう1000万人規模だとこうはいきませんよね。

埋蔵量と生産規模にもよりますが、2000万人規模の国家では、石油で儲けても、他の製造産業も同時に育たないと、石油の儲けだけでは国民を食わしていけないということになるのです。

それにしても石油を持っている国は羨ましいですよね、ベネズエラももう少し上手にやっていればよかったのにもったいない。

先ほども言いましたが、石油生産国が裕福と感じるのはサウジを中心とした湾岸諸国をイメージするからです。
しかし、湾岸諸国が潤ったのは特別な事情があるのです。
サウジアラビアや湾岸諸国の場合は、ご存じの通り欧米先進国の先端技術によって、大規模な石油供給を世界中に展開していたからです。

利権の争奪
湾岸諸国の場合、特にサウジアラビアは、この資源は俺たちの土地のものだから、もう好き勝手にはやらせないと主張して利権を奪い取ることに成功するのです。こうしてサウジアラビアは富を独占出来て、世界一の大金持ちになることが出来たわけです。

当時、採掘から価格設定の利権を握っていたのは、欧米先進国からなる「国際石油資本」通称セブンシスターズなのです。

欧米先進国からすれば、大金持ちにさせて潤っているのだから、アラブ人はそれ以上は言ってこないであろうという奢りがあったし、何より、彼らに採掘する技術もないし、権利は自分達にあると、タカをくくっていたのです。

しかし、時代は民主主義の成熟した時代に突入していたのです。かつての大英帝国などの植民地支配の論理はもはや通用しない。

いくらセブンシスターズが権利を主張しようが、国として採掘・供給停止を実行されたら動きは取れないし、更には、対立するソ連を中心とした社会主義国家の眼もあり、欧米先進国も彼らの支持に従うしかなかったのです。

こうしたせめぎあいの末、産油国の権限が拡大して行きOPECが誕生するのでした。

第一次石油ショック
今から40年以上前のオイルショックでは、俺たちの力を見せつけてやるとばかりにOPECは石油価格を4倍近くに上げたことから日本はもとより世界中がパニックに陥りました。

現在のサウジなどの石油成金の国々を見ると、これが本来の姿であることは否定できないが、何か矛盾も感じるのです。

産油国側もしたたか過ぎる。石油を武器に常に強気の姿勢で世の中を動かしてきたOPEC。もし、セブンシスターズの力を借りないで、これをゼロから立ち上げるとしたら、彼らの力では100年かかったかも知れないし、中東は、今どころではないくらいに大混乱に陥っていたことでしょう。

まとめ
豊富な資源が眠っていても、それを商品として精製するまでには、莫大な経済力と技術が無いと達成できない。

掘削作業、大規模プラント設備や水源の確保、輸送道路の開発・整備等々。

こうなると、発展途上国の場合は、資金と技術を持つ先進国に頼らざるを得ないわけです。
今現在、中国政府主導によってアフリカで行われているのが、まさしくそれなのです。

更に資源国家の多くは、自助努力無しで、いきなり成金国家となってしまったことが大きいのです。これで潤えば、日常の労働意欲は失われ、資源に依存する体質が染み込むのは当然の成り行きです。

一時的には潤うが、石油がだぶついた今では、価格変動によってモロさが出てくるということです。

子供の頃は、土の中に眠っている石油は、そのままガソリンとして使えると思っていましたけど、恥ずかしながら、石油にするには、大変な作業と工程があることを初めて知りました。

今回は、資源国家だから大金持ちとは限らない。ということを簡単に説明してみました。

最後まで見て頂いて有難うございます。
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