リクルート事件とは、その真相に迫る

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令和のサムライ通信:リクルート事件の巻

今回は、リクルート事件に関してのお問い合わせを頂いたので、わかる範囲でリクルート事件の実態を簡単、判りやすく解説して行きます。

リクルート事件とは、ロッキード事件と並ぶ戦後最大級の贈収賄事件なのです。
前回もお話ししましたが、これさえなければリクルート社は日本のトップ企業の地位を築いていたかも知れないのです。

当時のリクルート社は、景気の拡大や人手不足の波に乗り、飛ぶ鳥を落とすような勢いで莫大な利益を上げていたのです。

しかし、余りの急激な成長であったために、足場が不十分な体制のままだった、それをこの機に新たな事業拡大を図って改善しようとしたのです。

その足掛かりとして、彼らが考え付いたのが、リクルート社の子会社であるリクルートコスモスの未公開株を政界や文部省の官僚に譲渡して口利きを整えるという策だったわけです。

この事件が少し特殊なのは、本来の贈収賄の場合、現金を渡すことが普通ですが、未公開株での譲渡は、初めてのケースだったからです。

しかし、これも完全な贈収賄罪に当たることは確かです。

株を譲渡した人物は、現役の竹下首相を筆頭におよそ100人にもなり、このリクルート事件発覚後の影響は甚大で、戦後最大ともいわれるスキャンダルに発展しました。

よくわからないのですが、未公開株って、そんなに価値があるのですか。

それなんだよな、本来は、上場もしていない未公開株など、何の価値にもならないものだ。しかしその株が上場されることとなると、話は別となる。
株式市場の常識でも、新規に上場される株は殆ど値上がりするものなのです。まして、勢いに乗るリクルート社関連の株であったら、上場後に大きく跳ね上がることは誰でも予測がつくわけだ。

 

なるほど、そういうことか、上手にはぐらかせた話のようですね。

問題は、このリクルートコスモスの未公開株は、近々に上場する株なのですよと言いつつ譲渡しているわけなんだよな、ところが、事件発覚後になると、貰った連中は、そんなこと聞いていないとすっ呆けたわけだ。けど、いくら何でも、訳の判らない未公開株なんて受け取ったら不気味なだけで誰も受け取る奴なんているはずないよね。

 

結局、その株は値上がりしたということですか。

勿論さ、結果は、譲渡したリクルート社が言う通り、大きく値上がりしたのです。
リクルートコスモスの株は、当時のリクルート社の子会社の株なので、上場したら確実に何倍にも膨れ上がることは確実なので、値上がりした時点で株を売り抜けば、ぼろ儲け、ということなのです。こうして貰った政治家や官僚たちはぼろ儲け出来たというわけなのです。
勿論、株の譲渡と言う、現金でないことで政治家達も警戒しないで応じたわけだ。

 

 

そうか、でも結局は法律違反だったのですよね。

そうなんだよな、ここら辺がリクルートの幼稚なところで、多分、現金でなければ容易にはバレないとも思ったのかも知れないし、価値の無い未公開株の譲渡であれば法の網をくくり抜けるのではと考えたのでしょう。しかし、株の譲渡も贈収賄に当たることは歴然なのです。

 

なんでこんなことをしたのでしょうか、当時のリクルートの売り上げはもの凄かったのですよね。

そう、当時のリクルートの勢いは凄かった。しかし、リクルートが一流とは程遠いのは、あれだけの売り上げと大人数を抱えていても、ほとんどが契約社員であったことです。それは求人広告業ならではの独特な雇用形態からくるもので、思い切って正社員として雇うという事業展開が図れる体制ではなかったからです。
こうした体質は外からも伺えたので、一流企業とは認められず成り上がり的に思われていたのです。
こうしたことからも江副氏は財界での地位を築きたかったのかも知れません。ある意味、新参企業に有りがちのことで、ソフトバンクやユニクロなどと同じです。

 

何で、これほど大きな会社になれたのですか。

何度も言うが、昔は求人というと、新聞での求人広告が当たり前の時代であったので、通常の大手広告代理店は、水物の求人広告には殆ど比重を置いていませんでした。その隙間に旨く入り込んで、求人を媒体化して成功させたのがリクルート社なのです。
当時は求人専門誌を発行するという発想が無く、あってもアルバイトニュース程度のものでした。求人に特化した媒体は世間に認知させることは難しいと考えられていたわけです。ところが、それを見事にやってのけたのがリクルートと言うわけです。
こうして、リクルートは、独占的な発行元へと大きく飛躍したのです。

 

何故、リクルート事件は発覚したのですか。

最初の経緯は、リクルート社が川崎市の助役にリクルートコスモス社の未公開株を譲渡したという朝日のスクープから始まり、その報道を受けて、他社新聞が後追い取材を行い、当時の自民党の大物政治家や官僚たちに広く譲渡していたことが次々と明るみに出ることとなったのです。
まあ、朝日の野郎は自分達の悪はすっかりと棚に上げて、他人の悪を見つけることだけには焚けているからなあ。こんなもん、いずれは発覚するのでスクープでも何でもないよ。

 

マスコミや野党の追及も相当きつかったのでしょうか。

勿論、新聞もテレビも大騒ぎでしたが、騒いでいる割には、現金じゃなくて株だったので、今一、何が何だかよく判らないという人が多かったのです。
しかしそれが、一変したのが、国会でリクルートを執拗に追及していた急先鋒の楢崎弥之助議員への買収工作です。

 

えっ、買収って、また賄賂を渡して追及はやめてくださいとお願いした、という、ことですか。

そうなんだよ、それも、楢崎議員は、騙されたふりして、隣の部屋に日本テレビの記者を忍ばせて、その現場の一部始終を撮影させたのです。それがニュースとして放映されたことで、決定的な動かぬ証拠となるわけです。
もう、ここまでくると国民の怒りも頂点に達したのです。

リクルートは新参企業なので、とにかくやることがガキ過ぎた。よりによって、左の楢崎弥之助なんかに賄賂を贈って口封じしようというのは、楢崎議員からすれば、俺もとんでもなく舐められたものだと、怒り心頭だったことでしょう。

そもそも、国会で賄賂を徹底追及している中心人物に賄賂を贈っておとなしくさせようなんて普通は考えない。

リクルートはよく潰れなかったですね。

驚くのは、あれだけ世間から叩かれ続けてもリクルートの牙城は崩れなかった。かつての勢いはないが、その後も発展し続けたのです。
それは、皮肉にも正社員を抱えていなかったからです。
本当に馬鹿な連中だと思うのは、あのような姑息な手立てをしなければ、リクルートはソフトバンク以上の企業に成長することが出来た筈だからです。

まとめ
リクルート事件は、当時の内閣も総辞職となり、12人が起訴され有罪となりました。しかし、ここまで世間を騒がせた割には、実刑を下された人物は一人もいないのです。

そして、一番不可解な点は、大物政治家達は起訴もされずに何の罪にも問われなかったことです。
これは勿論、検察の忖度であることは間違いありません。

これによって、国民の政治不信は頂点に達して、とうとう自民党離れに火が付き、社会党の躍進を招いてしまったのです。

こうして、いつまでたっても拉致問題にも踏み込めない、ミサイルなど事実無根だのというまやかしに、何年も付き合わされる事態となっていったのです。

こうして考えると、成り上がり者のリクルートと大馬鹿な自民政治家の罪は決して軽いものでは無いと思うのです。

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