若者に敬遠されてしまった介護職と介護ビジネスの行方

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令和のサムライ通信:若者に敬遠された介護職の巻

不人気業種となってしまった介護職。
そもそも介護はビジネスとして成り立つのか。
介護が注目された当初においては、崇高な理念を持った職場として、志を持った多くの人達が介護職に挑戦してきたものです。
しかしその思いは一気に萎んでいってしまったようです。

今回は、介護職のイメージ低下に繋がった要因とビジネスとして中々軌道に乗せることが出来ない介護業の実態にも迫り、これまでの経緯を踏まえ簡単判りやすく解説して行きます。

 

介護現場の精神的きつさ
介護職の中でも老人ホームの離職率は非常に高い、慢性的な人手不足の影響が現場を蝕んでおり、プロとしての人材が育たないことで、当初謳っていた、きめ細かいサービスが行き届いていないケースが多く報告されています。

そもそも介護の現場は、ベールに包まれた部分も多く、実際の業務はどうなっているかの確証がつかめないところがある、そうした中で入所者の尊厳を配慮した運営が本当に行われているのかという疑問も湧いてくるのです。

 

少ない新人介護員で入所者の面倒を見るのは至難の業です。
これでは肝心の介護を受ける側も劣悪な環境に置かれるのは当然のことです。

こうした悪循環が繰り広げられているのが介護の世界なのです。

介護の職場は人で成り立つのに人が集まらないジレンマ
なにより、介護労働のきつさのイメージが定着したこともあり、慢性的な人手不足に陥っていて、人材の確保もままならない状況なのは誰もが知るところです。

単純に介護職が人気が無い、人手が集まらないのは、報酬が低すぎるからです。

建設業など昔から重労働な職場ほど給料が高いのは常識的なことですが、しかし、新参の介護だけは、「きつさ」の恩恵すら受け取れないままなのです。

私の友達にも介護の仕事についた人が何人かいたのですが、重労働のわりに給料も安いし、ほとんどの人は別な業種に転職してしまいました。

一昔前までは、介護福祉士を目指す学生は多かったが、介護の実態が知れるにつれ、若者が敬遠し出したのです。
介護職の定着率の悪さは、業界全体が慢性的な人手不足なので、募集枠はいくらでもあるという問題もある。
また、介護職には様々な資格もあり、社会的にも認知されているにも拘らず、スキルの向上というものが伴わないので、3年以上の経験者だったら、10年20年でも報酬に差は無く、経験に見合った報酬が受け取れないのです。

 

報酬が安すぎるのは最悪ですが、なんでここまでイメージが悪くなったのでしょうか。

若者が介護に暗さを感じるのは、肉体的負担のみならず精神的なメンタル面が大きいからです。
それは医療現場と似た立場に居ながらも、拘るごとに衰退して行く人の生末を見るという負の側面です。
回復して感謝をされることがないこと、これに虚しさを感じてくると、人によっては達成感には結びつかなくなってしまい、やりがいを失う人もでてくるのです。

 

なるほど、そこまで考えてしまうと複雑です。

しかし現代社会にとっては、「介護される」は、誰もが避けて通れない儀式の一つとなった。
誰かがやらなければならない仕事であり、そこには人間としての崇高な理念があることも忘れてはいけないのです。

あってはならない出来事
そして、とうとう殺人事件にまで発展した介護施設の現状、介護者をベランダから放り投げて殺害するなど言語道断の鬼畜の所業ですが、これには、夜勤での運営を少数の職員任せにするという介護現場の特異性にも責任の一端があるのです。

そもそも痴呆症の入所者を多く抱える施設の場合、夜もそれなりの態勢で挑まなければならないはずです。しかし現実を見るとそこまでの態勢を整えた施設は殆ど無いのです。

こうした現実に直面すると、介護にまつわる話は、暗くマイナスのイメージしか無くなり、介護職に対する偏見なども生まれ、介護にやりがいを見出せる環境は消えていったことは確かです。

うーん、なにを言っていいのやら、とにかくただでさえ大変な現場なのに人手不足では、その負担は半端ではないですよね。

介護職自体は、れっきとした資格職であるにも関わらず、ベースである介護企業組織が経営不安定な状況では、非常に心もとなく不安しか残らない。
更には、待遇の悪さまで備わってはやっていられないと、業界から逃げだす人も出てくるわけだ。
ただただ人手不足の現場をこなすことで、篤かった気持ちは急激に冷めていき、いつしかものを扱うかの如く感覚も麻痺してくる。


介護業界は、ビジネスとして成り立つのか
介護業界は社会保険制度の導入によって多くの企業が参入し急成長してきたことは事実ですが、未だにビジネスとして確立されたとは言い難い業種なのです。

介護業界は、これからも高齢者の数が増大して行くことが予測されことで、失敗が無い成長業種として注目されてきました。

しかし、介護施設の運営には設備投資の過大さが伴うので、それなりの資本力を備えた企業でなければ参入は難しいという条件があるのです。

そうした背景もあり、介護には無縁の様々な企業、建設系や不動産業界、そして人材派遣業など、様々な異業種からの参入が相次いだのです。

需要があっても、利用者が集まらない現実
今は昔と違って、医療の進歩で長寿が当たり前となり、飛躍的に老人人口の数が伸び続けているのです。高齢者増は、少子化とともに最も危機に直面している社会問題なのです。

しかしながら、需要があるからと言って、入居者は直ぐに埋まると考えたのは間違いだったのです。

結局、入居者が集まらなくて閉鎖してしまう施設もあったり、デイサービスも人が集まらないケースはよくあるのです。

こうして、施設やサービスの運営以前に、入居者、利用者を集めるという想定外の営業努力も必要となるということなのです。そうしたことで、サービスも他にない差別化が求められるわけです。

また、その逆のケースでは、受け入れ態勢が完璧でも、肝心の介護士が集まらないことで、半数の入居者しか受け入れられないというミスマッチも多いのです。

介護には、税金が投下されていることで、とかくやり玉に挙げられる
そうした中で「介護を金儲けの道具にすることはけしからん」という風習が未だに存在するのです。

それは介護業界の場合、介護保険制度という国の税金で賄われている特異性があることで、利益に結びつけることへの抵抗があるからです。

そうか、確かに日本の場合、病院などもそうですが、あまり経営のこととかを前面に出しませんものね、けど儲けが出なければやっていけませんよね。

まあ、不動産屋あたりが参入となると変な目で見ちゃうところはあるけどね、それにしても、実際は簡単に儲けのでる事業ではなかったし、難題ばかりの割には、現場はかなりの奮闘をしているのだよ、この状況で卑しさばかりが強調されても気の毒だよね。

 

最初はなんで不動産屋とか建設会社なのかと思ったのですが、介護施設の運営には、お金を持っている企業しか参入できないのがやっと判りました。

彼らが手を上げてくれたことは好意的に捉えないとね、国や自治体にはそんな余裕は無いし、いい加減な彼らに任せたら税金を無駄に使って、丸投げするだけでもっと悲惨な状況になります。

介護の労働環境ほど劣悪なものはない、介護は慈善事業やボランティア程度のモチベーションでは成り立たないし、奉仕だけの綺麗ごとなど通用しないのです。

介護に従事する人は、この道のプロフェッショナルか志のある人でなければダメなのです。

モチベーションの無い人には参加もしてほしくないのが介護の現場です。
とてもじゃないが、素人の寄せ集めのボランティア程度では務まらないのです。

国の改正に振り回される介護業界
介護事業を成功させるにはビジネスとして軌道に乗せなくてはならないのは当然です。

しかしながら、介護は新興事業であるがゆえに、国による制度改正が何度も行われ、そのたびに介護企業の期待は失われ翻弄され続けてきた経緯があるのです。

医療・衛生など様々な分野に直結する規制や基準が当て嵌められたことや、過大な設備投資に翻弄され、採算に見合わない事業の典型となってしまった感もある。

企業努力?の限界からか、利益を生むには人件費を抑えざるを得ないという悪循環の体質が蔓延してしまい、それがサービスの低下を招く結果にも繋がっており、失敗撤退が後を絶たない業界となったのです。

まとめ
介護職が以前より注目されなくなったのは、介護業界自体の信用が確立されていないことが世間に知れ渡ってしまったことも大きい。

そして異業種からの参入で成り立つという介護業界のニワカ経営の実態。

さらには、業界の歴史が浅いことで、自分の将来を見極める目標値が見えないことなどで、若者は介護を敬遠し出したのです。

介護に対する崇高な志はどこに行ってしまったのでしょうか、若者から敬遠されては介護業界の未来は無い。

介護業界は、早くも介護労働者そして業界団体と国が結束してイメージ回復に向けた取り組みを行う時期に来てしまったのです。

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