リクルートはソフトバンク以上の怪物となる筈だった

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令和のサムライ通信:リクルートの正体の巻

リクルートは、昭和の末期にかけて時代の寵児と言われるほどの隆盛を謳歌してきた、あれは一体何だったのであろうか?
そしてブラック企業を定着させたのも彼らの仕業なのだろうか?


今回は、求人・転職業界を牛耳ったリクルートとブラック企業の関係、そして、リクルートは、地味で商売には結びつかないと誰もが敬遠していた求人業界で、何故、これほどの飛躍を遂げたのかの謎を簡単判りやすく解説して行きます。

 

当時のリクルートの勢いは凄まじかった
リクルートコスモス事件によって、一時は衰退したリクルートだが、リクルートは求人業界というネクラな存在を驚くほどに改善させたことは事実のことで、彼らが社会に与えた影響力とその功績も物凄いものなのです。

ということで、リクルートを語るには、リクルートの功績も語らなくてはフェアではない。

「転職」という言葉を輝かせたのもリクルートだし、「とらばーゆ」によって女性の地位向上や転職活動を当り前にしたのも彼らの力です。肉体労働を「ガテン」としたことでガテン系ファッションまで現れる現象となった。

次々と斬新なキャッチを生み出し、世の中をアッと言わせる企画力は常に目を引いたものです。

何より、日本の労働事情は終身雇用が当たり前とされていた中で、「転職」というキーワードをクローズアップさせ、世の中に定着させた功績?は大きいのです。

リクルートの罪
しかし、リクルートは、転職というビジネスモデルを作りあげるという、表の華やかしさとは裏腹に、ブラックを育て自分達にとって都合の良い優良クライアントに仕立てあげていたことも事実なのです。

「嫌な会社に固執せず、自分を活かせる場所に転職する」そこで待ち受けていたのは、もっと劣悪なブラック企業であった。

こうして多くの若者がジョブホッパー(転職を繰り返す人)となり、ワーキングプアに陥ることになっていったのです。

リクルートによって、転職が恥かしいものではなくなった反面、企業が人を循環させることも奨励したわけです。

求人業界の閉鎖的体質
既存の広告代理店が求人広告業に参入しないのは、需要があってもクライアントの存在が見えない世界なので、安定した得意先にはならないと捉えていたからです。

この時代は、こんな水商売的な仕事に拘わっても採算が合わないと誰も相手にしなかったというわけです。

そして、もう一つは媒体の存在です。

当時の求人広告は、新聞媒体が牛耳っていた。朝日を筆頭に読売、毎日、産経がおもで、水系や建設系の求人広告はスポーツ紙という感じでした。

だが、牛耳っていたといっても、新聞媒体は受け入れるだけで掲載の役目を果たしているだけに過ぎないのです。

広告集めも傘下の求人広告代理店任せで、更には、求人クライアントからの問い合わせによって、傘下の代理店にクライアントを振り分けるシステムな訳です。

こんな甘い体質の新聞社と傘下の代理店が取り仕切っていたことで、参入するだけ無駄な世界だったということです。

求人業界に唯一参入する方法は、自分達で新聞社に対抗できる媒体を作る以外にないのです。

この業界には、大した需要もないし、しかも、業界は新聞が牛耳っているので、至って閉鎖的。今更、この為だけに媒体を作るなど頭のおかしな奴でもやらないことなので誰も参入しなかった。

しかし、そこに目をつけたのがリクルートなのです。

当時のリクルートは、学生援護会(アルバイトニュース)に対抗するアルバイト専門誌を立ち上げ、求人でのクライアントは水物という定説を覆すのでした。

それは、手当たり次第のローラーテレフォン営業という原始的な展開で順調に売り上げを伸ばしていたからです。

リクルートの江副氏からすれば、求人業界の本質が、新聞社という敷居の高さや威厳がベースとなっている中身のない甘い体質だけで成り立っていることに歯がゆさを感じていたのです。

しかも、客の方から注文が来て、初めて請け負う緩い仕事となっている現実は、せっかくの需要を台無しにしていると受け止めたのです。

こうして江副氏は、この閉塞状況を改善し、業界を活性化させようと考えたわけです。

この当時のハローワークは一体何をやっていたのでしょうか。

そうなんだよ、当時のハローワークは職業安定所といって、まったく世間からは信用もされていない、あっても無くてもいいような役人の堕落した組織だったのです。
だから、多くの企業は新聞社の信用に飛びついて、求人募集を掲載してきたわけです。
しかし、新聞社も殿様商売なので、業界を活性化させようとか飛躍させようなどの発想は一切ないわけです。それこそ閉鎖的が一番いいのです。独占しているので黙っていても、相手の方から注文が来て儲けが出るからです。

リクルートって、そんなところに参入するなんて、すごい度胸なのですね。

まあ、大した度胸でもないのだけどね、そもそも求人屋は広告業界の中でも蔑まされた分野だったのです。
業界の一番手は朝日なんだけど、朝日からすれば求人の分野なんてまったく何もしないでも向こうから客が飛び込んでくるゲノゲノ話なんで、どうでもいいことなんだよな、その隙間に入り込んだのがリクルートということなのです。

役人任せの職安の体たらくとふんぞり返った新聞社の閉鎖性を見るにつけ、自分達のノウハウを持ってすれば、ここには必ず勝機ありと確信した。その思惑はズバリ的中しリクルートは大飛躍を遂げることとなったわけです。

新聞社みたいなプライドの塊が取り仕切ると(実際は何にもしていない)、周りを一切寄せ付けない、活性化など無縁な世界となってしまうということです。

ブラック企業を優良企業に仕立て上げる求人案内
リクルートと求人広告屋には、広告原稿を作る際のチンケなひな型があって、それに当て嵌め、曖昧なニュアンスを使って原稿を作り、ブラック企業をさも優良企業であるかのように仕立てあげていくのです。

こうして求職者はリクルート傘下の求人広告屋の作った嘘広告に騙されてブラックの世界に引きずり込まれるのです。

リクルートと傘下の求人広告屋は、こうしてブラック企業を支えてきたのです。

昔は本当にひどかったらしいですね、求人広告の内容は、完全に企業寄りで、求職者は会社に入ってみないと実態がまったく解らない状態だったと聞きます。

リクルートが何でこんないい加減な募集案内を定着させることが出来たかは、企業倫理感の欠如も当然ながら、求人広告業界の甘さがあるからです。
当時の求人業界の実態は、やる気のまったくない職安(今のハローワーク)のせいと、同じく何もしない新聞社の信用だけに頼る体質が染みついていたからです。
その新聞広告が悪徳企業やブラック企業を審査もせずに堂々と受け入れている甘い体質であることをリクルートは知り尽くしていていたので、リクルート自体もどんどん歯止めが利かなくなっていったのです。


フリーペーパーの発想
フリーペーパーはその昔から存在したが、その先駆けを作ったのもリクルートです。

「損して得取る」の発想、勿論、収益は広告掲載料だけです。
当時はかなりの冒険、懐疑的な話しであったのです、しかし、やってみたら、反響は凄かったのです。

ただということと、求人というキーワードに若者たちが飛びついたからです。

見る人が多ければ多いほど反響は物凄い、それはテレビの世界と同じです。こうして、見る人、クライアントともに喜ばれる結果につながったのです。

こうしてリクルートは、莫大な宣伝費をかけても元が取れることを証明したのです。

今では、情報誌はフリーペーパーが当たり前の時代となった。
こうして、フリーペーパーの発想は、ネットのグーグルやヤフーにもつながったのです。

しかし、お金を取る有料誌はことごとく消えて行き、大手企業でしか参入出来ない業界となったのです。

因みに、人のアイデア盗み業の新聞社は、資本力とクライアント力でフリーペーパーの世界でもセコク狡く大活躍です。

まとめ
この時期にブラック企業が謳歌できたのはリクルートのお陰といえます。

私は、現役のころに、ライターを装って、冷やかし半分であらゆる新聞社や雑誌社などに潜入してきましたが、その中にはリクルートの存在もあったので、内部の状況は少しだけ記憶しているのですが、リクルート自体もかなりのブラック感が漂っていました。
パート社員の数が物凄く、それも若者だらけ、使い捨てなので人の出入りが激しい、斬新なのは、新聞雑誌媒体のようなプライド感はゼロなので、イケイケ感と活気はあった、しかし、どう贔屓に見てもレベルの高さは一切感じなかった。

リクルートの牙城は未だ凄い、しかしながら、リクルートに挫折が無ければ、こんな程度のものではなく、途轍もない怪物企業になっていたことは間違いないでしょう。

それを考えると少し残念な気もしてきます。

取り敢えず、落ち着いた企業になったことだけは評価したい。

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